Chapter 4


ーー

私は言葉の持つ力をとても信じています。

だから言葉をできるだけ丁寧に綴って、

歌にのせて伝えたいと思って歌っています。


Chapter2で紹介した、

「だから今夜も誰かが歌う」という曲では、

大切なことは口にしないと伝わらないぜ!

なんて言ってみたり。


でも時には、

「言葉なんていらないぜ!」

という瞬間、ありませんか?


目が合って、

その表情で相手の温度がひしひしと伝わって、

なんだかあったかい。


この言葉にならない感情たちが胸に広がっていくこと。

きっと名前もついていないようなこの瞬間も、

私はとても大事だなと思いますし、

すごく信じています。



ーー

やっぱり言葉は難しくて。

自分の中に湧き上がった感情を言葉にすると、

時に自分を客観視しているような感覚になり、

あれ?何言ってたんだっけってなることがあります。


逆も然り。

同じことを何度も言われると、

あれ?なんでこの人はずっと伝えてくれてるの?本当なの?と。

辛い時に、何度も何度もがんばってを聞いたら、

がんばれない自分がだめなんじゃないかと。

もしかしたらそんな感情を抱いてしまう、

私が疑い深いだけなのかもしれませんが。



ーー

この歌は一つの言葉をテーマに作りました。


歌でみんなの感情が優しく溶けていったらいいよね。

そんな会話をして名前をつけたライブのタイトルがあります。

そのライブにあたり、

心が溶けていくってどんな瞬間なんだろうと考えました。


嬉しい時?楽しい時?

このご時世がちがちに気を張っている私たちには、

きっとそんな瞬間も心は柔らかくなっていると思います。


でも私の中の答えは意外と簡単でした。


「あっ、私はこの人のことが好きなんだ」


と思ったほんの一瞬に感じる、

幸せと、温かさと、なんだか恥ずかしいくすぐったさと、

夢を見ているようなふわっとした優しさ。

何かを疑っていた心が溶けていくあの瞬間こそが、

誰かの心が溶けていく瞬間なのだと。



ーー

言葉なんていらない瞬間

心が溶けていく瞬間


実はこのふたつの瞬間って同じものなのかもしれない。


だから私はこの曲の歌詞で、

「好き」や「愛」

という言葉を一度も使っていません。

(愛しいはノーカウントにしてね笑)


でもわざわざ言葉で伝えなくてもわかるよね。

言葉にしないほうが相手に伝わることもあるよね。

だからこの気持ち歌にして伝えなくちゃ!

そんな思いから生まれたのがこの曲です。


心が溶けていくってきっと、

そういうことなんでしょう。





Melt
written by Ryo Yoshinaga


表情も不安もいつの間にか
優しく溶けてしまったの


1人で生きていけると思っていた
満員電車で落とした気持ち
拾い集めたくても踏みにじられるような
時代に生きているし

 

遠ざけていたのは誰
鏡に写るその訝しい顔じゃ
他人はきっと逃げてしまうよ
でも出会ってしまったの
そう始まってしまったの


煩わしい液晶画面の文字に
執着するようになってしまったみたいで

真面目なことそうじゃないこと全部

あなたに伝えたくなった頃から
表情も不安もいつの間にか

優しく溶けたのは
そういうことなのかもね


1人で生きていたいと思ってた
大事に抱えた誰かの気持ち
支えて護るなんて私にはできないし
でもやっぱり1人は寂しいなって


忘れていたんじゃない
差し伸べた手を払われたあの日から
誰かのためが怖かっただけなの
でも願ってしまったの
そう小さな幸せを


疑わしいこんな世の中でさえ
愛しく瞬くようになってしまったみたいで
一瞬でも何秒でも構わない

あなたが私の景色になった頃から
運命を少しだけ信じたら

神様がきっと必然に変えてくれるから


疑わしいこんな世の中でさえ
愛しく瞬くようになってしまったみたいで
欲しいもの持ってるもの全部
今の私にもう必要ないみたい
表情も不安もいつの間にか
優しく溶けたのは
そういうことなんでしょう

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