Ryo Yoshinaga

Ryo Yoshinaga
-Singer songwriter
-Chorus

後悔も葛藤も、全部含めてあなたを愛するように。

◇Profile◇
学生時代よりDiana Ross,Swing out sisterといったポップな洋楽に魅了され、バンドでのボーカルやゴスペルグループでのコーラスといった、ボーカリスト活動を経て、本格的にシンガーソングライターとしてピアノ弾き語りスタイルでソロ活動をスタートさせる。

また、コーラスサポートとして日本武道館、Zepp Tokyoや川崎CLUB CITTA

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Chapter 4

ーー私は言葉の持つ力をとても信じています。だから言葉をできるだけ丁寧に綴って、歌にのせて伝えたいと思って歌っています。Chapter2で紹介した、「だから今夜も誰かが歌う」という曲では、大切なことは口にしないと伝わらないぜ!なんて言ってみたり。でも時には、「言葉なんていらないぜ!」という瞬間、ありませんか?目が合って、その表情で相手の温度がひしひしと伝わって、なんだかあったかい。この言葉にならない感情たちが胸に広がっていくこと。きっと名前もついていないようなこの瞬間も、私はとても大事だなと思いますし、すごく信じています。ーーやっぱり言葉は難しくて。自分の中に湧き上がった感情を言葉にすると、時に自分を客観視しているような感覚になり、あれ?何言ってたんだっけってなることがあります。逆も然り。同じことを何度も言われると、あれ?なんでこの人はずっと伝えてくれてるの?本当なの?と。辛い時に、何度も何度もがんばってを聞いたら、がんばれない自分がだめなんじゃないかと。もしかしたらそんな感情を抱いてしまう、私が疑い深いだけなのかもしれませんが。ーーこの歌は一つの言葉をテーマに作りました。歌でみんなの感情が優しく溶けていったらいいよね。そんな会話をして名前をつけたライブのタイトルがあります。そのライブにあたり、心が溶けていくってどんな瞬間なんだろうと考えました。嬉しい時?楽しい時?このご時世がちがちに気を張っている私たちには、きっとそんな瞬間も心は柔らかくなっていると思います。でも私の中の答えは意外と簡単でした。「あっ、私はこの人のことが好きなんだ」と思ったほんの一瞬に感じる、幸せと、温かさと、なんだか恥ずかしいくすぐったさと、夢を見ているようなふわっとした優しさ。何かを疑っていた心が溶けていくあの瞬間こそが、誰かの心が溶けていく瞬間なのだと。ーー言葉なんていらない瞬間と心が溶けていく瞬間実はこのふたつの瞬間って同じものなのかもしれない。だから私はこの曲の歌詞で、「好き」や「愛」という言葉を一度も使っていません。(愛しいはノーカウントにしてね笑)でもわざわざ言葉で伝えなくてもわかるよね。言葉にしないほうが相手に伝わることもあるよね。だからこの気持ち歌にして伝えなくちゃ!そんな思いから生まれたのがこの曲です。心が溶けていくってきっと、そういうことなんでしょう。

Chapter 3

ーー時間が経つにつれて、価値観が変わっていったり、考えが変わったりしますよね。私は自分の心や歌詞の世界は常に変わってもいいものと思っていて、もっと違う!こうだな!と思ったら、ポジティブな意味で歌詞を変えて、完成させていきます。この曲はもしかすると、曲調も歌詞も、私史上最も変わった曲の1つかもしれません。今も昔も変わらない価値観は、歌い始めのこの言葉。「人は誰かが思うほど強くない。」ーー書き始めた頃の歌詞は、とーっても簡単に要約すると…あなたの全部を愛したい。でも今の私には難しいかもしれない。だって人は誰かが思うほど強くないから。ためらいも戸惑いも含めて、あなたを愛することは、時間がかかるかもね。…愛してるは思ったら伝えるから、今は待っていて。という曲でした。なんと!わがまま!笑その中で、いろいろな出来事があったり、歌詞を読み返してみたり、なんでこの人は愛を怖がっているんだろうって考えて、はっと自分に重ねて気がついたんです。あ、私は自分のことが一番嫌いなんじゃないかって。「誰か」の期待の声や、「あなた」優しさ。目の前に望んだものがあったって、それを受け取るのは「私」。だけど、「私なんて」という、本当は誰の価値観でも計れないのに、なぜか自分を責めてしまうような呪いの言葉をたくさん口にして。そんな状況打破しなきゃ!ってもがく自分もかっこ悪い…ちょうどそんな風に歌詞を変えていた時、まさに私自身もすごく苦しかったんです。期待に応えることも、期待を裏切ってしまうことも。誰かに必要とされていたかった、でも誰にも踏み込んでほしくなかった。なのでこの曲は、「私」と「あなた」の曲ではなく、「私」と「私」の曲にすることにしました。どんな時も、私は私だし、自分を認めてあげたいなと。もし少しでもそんな気持ちの方が、この曲を聞いてくれたなら。流れに流されたって、いいじゃない!どうやっても、「あなた=私」はここにいるから。その揺るぎない真実だけ。ちょっとだけ頭の片隅に覚えてもらえたら、いつかあなたがあなたを救ってくれる日が来ますようにと、歌います。

Chapter 2

 ーーみなさん、失恋したことありますか?まぁ、生きていればきっとありますよね。笑原因はわかる気もするし、それでもわからなかったり。で、自分を責めてみたり、相手を責めてみたり。なんなら環境のせいにしたりね、海のバカヤローとか。一度はお互いあんなに好きだと言ってたのに…なんて時もありますよね。もちろん片思いからの失恋も胸がチクチクしますが。ーー私もまぁ、そんなこともあるのですが、その時言われた言葉の中で、とってもずしーんときた言葉があります。「大切なことは口に出して伝えないとわからない」自分の気持ちを言葉にしなくたって、それでもきっとわかってくれてるよねなんて。相手のことを思ったつもりでいること。ちょっとした気持ちの変化も、ちょっとした気持ちのずれも、伝えないのではなくて、気づいて欲しかった。見えないそれも必要なのかなと思っていたら、一番それが必要なかった。当たり前だし、とっても簡単に聞こえるけど、自分の気持ちをしっかりと、相手に伝えることって、難しいのかも。わかっていてもできないのは、嫌われたり、相手を失ったりすることを恐れてなのか、はたまた自分が傷つくのがかっこわるいのか。もちろん、恋愛だけではなくて、仕事でも家族でも友だちでも。どんなに親しい人でも、みんなエスパーではないので、空気や雰囲気はわかるもしれないけど、本当の気持ちはしっかりとその言葉がないとダメなんですね。きっと。ーー私は自分のこれまでを振り返ったり、反省したり、これが大切なことだったんだな…と記憶をたどって歌をつくったりします。この曲は、大切なことはどんな形でもいいから、口に出して、言葉にして、相手に届けるまでが「思い」なんだよ、と。あの時ちょっと苦かった思い出は、その時、教えてもらえたからこそ、これからの大切な甘い幸せになりますよって。自分だけじゃなくて、誰かの思いを昇華できたらいいなという思いで作りました。そう。不思議なんだけど、あの時泣いていた私よ!その言葉は今だからこそ胸に響く言葉でもあるのだよ。大丈夫!ーーこの曲の歌詞に出てくる子は、私のようで私ではありません。だから、あなたの気持ちが幸せになるように、この言葉を贈ります。「大切なことは口に出して伝えないとわからない。」

Chapter 1

--この曲の歌詞を作った時、とある画がずーっと頭の中に浮かんでいました。手回しの大きな仕掛けオルゴールが一つ。そこには道が一本あって、てくてく歩いている小さな人がいて、交互に月と太陽が出てくるようにひたすらくるくる回すんです。私たちの日常もそんな感じで、目には見えない誰かが、くるくる回してくれてるのかもしれません。例えばちょっと嫌なことがあって、夜に逃げ込みたくなるような日も朝はやってくる。永遠に続けばいいのに!というような愛しい時間も、夜という終わりがやってくるからそこには意味がある。毎日は、どうしても目には見えない力で進んでいって、その事実は善でもないし、悪でもない。答えがないのかもしれない。ううん、たぶんない。でもその答えを探すために、オルゴールを回し続けるもよし、その答えなんか気にせずに、日々を自分のものに彩るのもよし。その道を歩く人にしか見えない物語が、そこにはあって。この道の主人公は自分ですよって、自由に気ままに歩いていくのが人生なんじゃないかな、なんて。ーー自分の生きる日々を、そんな風に見ることが出来るには、私にはあと60年くらい足りないと思います。笑だけどそんな風に道を歩いてみたいから。同じように歩き続ける人たちの、一日一日が素敵なものでありますようにと、そんな想いを込めて、私が音楽活動を始める、まさに第1歩になった1曲です。ーー私といえば!と、この1曲を挙げてくれる方がとても多いです。頭に残る!と言ってくれる人もいて、とってもとっても嬉しいです。でもそろそろ、あなたを超える1曲を作らなくちゃね。初心に帰るではないけれど、きっと一生涯大切に歌い続ける曲だと思います。ちなみに…タイトルの元ネタは、Shakatak with Al Jarreauより。笑